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あんまマッサージ指圧師・鍼灸師 ぱんだ先生
2014年03月12日公開

 

今回は“気”についてお話ししたいと思います。

東洋医学を語るには、避けては通れない“気”の話です。
本当ならば、いの一番にお話しすべきでしたが、気は見えないものであり、その説明は何しろ難しく、一歩間違えると胡散臭く、怪しいものと受け取られてしまうため先延ばしにしていました...スミマセン...(~д~;)

ずっとにしていたけど、が重く後れしていた“”の話を、そのになったぱんだ先生が勇を持って、本で取り組み、一呵成にお伝えします!

“気”のつく言葉

私たちは日常生活の中で“気”という言葉を、思いのほかよく使っています。
「気が散る」、「気が向く」、「気が抜ける」、「気を使う」、「気が合う」、「気が利く」、「気のせい」、「気を落とす」、「気を許す」、「気を失う」、「気が多い」、「気を引く」、「気まま」、「気晴らし」、「気兼ね」、「気合」、「気力」、「気絶」、「気分」、「気配」、「元気」、「根気」、「人気」、「気質」、「雰囲気」etc.
思いつくままにあげてみましたが、ちょっと考えただけで、こんなに出てきました。

「自分の内側の状態」や「自分を取り巻く状態」などのニュアンスを表している言葉が多いですよね。私たちは、これらの言葉をその時々によって、意識して使い分けているのです。
つまり、自分の身体の内外の“気”の変化を感じ取り、それにあった言葉を選び、伝えているのです。

オリンピック招致活動の際に「お・も・て・な・し」という言葉が一躍脚光を浴びましたね。
「相手のことをにかけて、持ちを察し、を配る」という感覚は、日本人の誇るべき特質です。つまり、私たち日本人は、他の民族よりも“気”の存在が身近であり、敏感に感じとることができると考えられます。

大地にも“気”が流れ、ツボがある!?

近年、伊勢神宮や出雲大社、富士山や鞍馬山などに代表される寺社や山岳などがパワースポットと呼ばれ、多くの人がそのエネルギーを求めて訪れていることは、みなさんご存知かと思います。

パワースポットは「気場」とも呼ばれ、「大地の“気”がみなぎる場所」と考えられています。

このことからも、私たち日本人は、“気”を意識し、“気”が自分達にとってエネルギーになることを無意識に身体で感じて知っているのです。

ちなみに
寺院や神社などは、良い“気”が流れる聖地に建てられていることが多く、各地の聖地を結んでいくと日本列島には良い“気”が流れるラインがあり、それは、日本列島に走る「経絡」の様で、寺院や神社などがある場所は、とくに強い“気”が集まる、大地の「ツボ」と考えられるという見方もあります。

“気”は身近な存在だということに気付いていただけたでしょうか?
それでは“気”についてもう少し掘り下げて行きたいと思います。

病は“気”から

“気”は、人体を構成する基本物質であり、臓腑・器官・経絡などの生理活動を営む原動力となるものです。

生命の誕生から成長と発育、各臓器や経絡などの組織器官の生理活動、血や津液の生成と運行などは、すべて“気”の活動によるものです。
つまり、“気”に変調が生じると、これらの機能にも変調が起こり、様々な不調や病気が現れるということになります。

「病は気から」という言葉の本当の意味がここにあります。

“気”の種類と働き

“気”は、簡単に言えば「目には見えないエネルギー」の様なもので、生命活動の根源と言っても過言ではありません。
肉体が生命体として活動できるのは、“気”が充実しているからで、言いかえれば、完璧な肉体があっても、そこに“気”がめぐっていなければ、石や金属と同じ物体でしかない、ただの肉の塊ということになります。

《2種類の“気”》

私たちが持っている“気”には「先天の気」と「後天の気」があり、2つが合わさり全体の“気”となります。

  • 先天の気:生まれながらに両親から受け継ぐもの⇒誕生したときに貯えられていて、減る一方で増える事がなく、これが無くなると死亡すると言われている、先天の気が弱いと病弱になる
  • 後天の気:空気や飲食物から補充される⇒先天の気を元に、日々生きていく中で取り込むものから生成される、生命維持にかかせないもの
    「後天の気」は、どんなものを取り込むかで、生成・補充される“気”の良し悪しが決まるということです。いい空気を吸うのか?澱んだ空気を吸うのか?バランスの取れた食事か?偏食か?
    『あなたの身体は、あなたの食べた物でできている』というCMが流れていますが、“気”についても同じ事が言えるのです。

《“気”の5つの働き》

  • 推動作用:人の成長・発育やすべての生理的活動と新陳代謝をする働き
  • 煦温作用:臓腑・器官などすべての組織を温め、体温を保持する働き
  • 防御作用:体表で外邪の侵入を防御する働き、バリア機能
  • 固摂作用:血液や汗、尿、精液などが身体の外に漏れ出るのを防ぐ働き
  • 気化作用:下の方に沈みがちな冷たく重いものを温めて軽くし、
    身体の上の方に運べる様にする働き

その他にも、“気“は身体に栄養を与え潤す成分である「血」や「津液」を作り出し、全身にくまなくめぐらせるために先導をする働きもあります。

“気”の変調

それでは、“気”の変調を具体的に取り上げてみましょう。おもに「気の不足」と「気のめぐりの乱れ」の2つに分けられます。

■気の不足

“気”を過度に消耗したり、“気”の生成が不足して、“気”の量が足りていない状態

(おもな原因)

  • 先天的の気が不足している
  • 飲食物の摂取が不足し、後天の気が補充されない
  • 心身の過労
  • 過度のセックス
  • 大病や長期間の病気 etc.

(現れるおもな症状)

  • 気力がない
  • 倦怠感
  • 手足の冷え
  • 立ちくらみ
  • 汗が出やすい
  • 風邪をひきやすい
  • あざや皮下出血が多い
  • 食欲不振
  • 消化不良
  • 体重減少 etc.

■気のめぐりの乱れ

“気”の流れの停滞や“気”の上昇や下降などの動きが乱れて、“気”の流れが悪くなっている状態

(おもな原因)

  • 感情の乱れ
  • 外邪の侵入
  • 偏った食生活
  • 打撲、捻挫などによる外傷 etc.

(現れるおもな症状)

 [停滞した時]

  • げっぷ
  • おなら
  • 顔のほてり
  • 目の充血
  • 気が渋滞している部分の痛み
  • ため息
  • のどが渇く
  • 胸苦しい
  • お腹が張る etc.

 

 [上昇しすぎた時]

  • げっぷ
  • 吐気
  • めまい
  • しつこい咳
  • イライラする etc.

 

 [下降しすぎた時]

  • 下痢
  • 胃下垂
  • 頻尿
  • 脱肛
  • 立ちくらみ etc.

“気”の流れは川の流れに似ています

身体をめぐる“気”の流れは、川の流れによく似ています。

川幅や深さ、長さなどによって、その川に流れる水の量や流れる速さは変わります。水の量は、少なすぎると澱み、多すぎれば氾濫します。少なすぎても多すぎてもよくありません。また、水の量が適量でも、流れが悪いと停滞して澱みます。
雨が降った後などは、土砂混じりの濁った水が流れ込み荒々しくなります。さらに、土砂や汚染ゴミなどで川がせき止められると、せき止められた部分より前では過剰になった水が氾濫し、後ろでは水が涸れてしまいます。

これを、身体をめぐる“気”の流れに置き変えてみましょう。
身体は一人ひとり違います。その身体に必要な“気”の量も人それぞれです。身体にあった“気”の量が、少なすぎず多すぎず、遅すぎず速すぎず、程良くスムーズに流れていることで、健康な状態が維持できるのです。
川における雨水の流れ込みは、外邪の侵入で体内の“気”の流れが乱されている状態です。土砂や汚染ゴミは、過剰な飲食や運動不足、ストレスなどによる”気”の停滞で、川がせき止められる様に、ある部分では“気”が逆流したり過剰になったり、“気”が停滞したり、足りなくなったりするのです。

“気”をめぐらせる方法あれこれ

みなさん、すでに無意識に実行していることがたくさんあります。

  • あくび
  • 伸び
  • 深呼吸
  • 凝っているところを揉む

これらは、みなさん自然にやっていますよね。

その他に、下記の方法も有効です。

  • 新鮮な空気を取り込み、バランスの取れた食事で、良質の「後天の気」を補充
  • 軽い運動で“気”のめぐりをUP
  • 緑の多い場所で深呼吸して自然の“気”を取り込む
  • ストレスは“気”を停滞させるので溜めこまないことが大切
  • 過度な感情は“気”の変調を起こすので注意!
    ・喜び →“気”が緩む →心の変調
    ・怒り →“気”が上がる →肝の変調
    ・思い悩む →“気”が結ぶ →脾の変調
    ・悲しみ、憂い →“気”が消える →肺の変調
    ・驚き →“気”が乱れる →腎の変調
    ・恐れ →“気”が下がる →腎の変調

メルマガ読者からの質問にお答えします!

<質問>
理解したり、受け取っている感覚に気付いたりするのが鈍いのは、どんな気が足りないのでしょうか?
<回答>
この様な発想をお持ちの質問者の方は、東洋医学に詳しく、かなり勉強している方ではないかと想像します。
「理解する」ということについてですが、思考と判断力を最大限に発揮させる働きを持つ“心”が大きく係わると考えられます。また、「脳」の働きを司るのは“腎”とされています。
次に「受け取っている感覚」ということについてですが、「感覚」と言えば「五感」である、「視覚」、「聴覚」、「嗅覚」、「味覚」、「触覚」の事を指していると考えますが、一般的に五感の障害は“心”の変動と考えられます。
以上から、“心”もしくは“腎”に、気が不足しているか、めぐりが悪いために鈍くなっているのではないかと推測されます。

“気”の調整には鍼灸!!

鍼灸には、いろいろな治療法がありますが、その中で「気の調整」とも言われているのが「経絡治療」です。

患者さんの訴える症状を、四診法(※1)により、身体をめぐる十二経絡(※2)のどこに、“気”の変調が現われているかを判断し、“気”が足りない場合は補い、“気”の流れを妨げているものがあれば取り除き、滞っていれば流し、症状が現われた根本の原因を改善するという治療法です。また、痛みがほとんどない浅い鍼も特徴です。

「経絡治療」は、専門知識と技術が必要になるため、鍼灸師なら誰でもできるという治療法ではありません。ご興味のある方は、経絡治療専門の治療院を選んで受診して下さい。

「はりQ」トップページのフリーワード検索で「経絡治療」と入力することで検索いただけます。

(※1)詳細は、特集「数値ひとつで“病人”が“健康人”に!?」をご参照下さい。
(※2)詳細は、特集「どうしてツボは効くの?」をご参照下さい。

いかがでしたでしょうか?
わかりやすくとにかけながら、簡潔にとを配ったつもりですが、が遠くなるような長文になってしまい落ちしています(T_T) ””は身近なものだと少しでも付けていただけたらなら、が楽になります(^_^;)

中国では手術中に気功医師が患者さんに“気”を照射して手術時の痛みをなくすという「気功麻酔」が行われているそうです。
目には見えなくても、感じることはできる“気”。最近では、“気”の持つエネルギーを客観的に分析する試みが進み、確かにそこには何かがあると存在が確認されています。

色々試したけれど改善しない不調でお悩みの方、強い刺激は身体に合わないという方、やさしい鍼で“気”を調整する「経絡治療」を一度試してみてはいかがでしょうか?

 

 

 


 

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