title あんまマッサージ指圧師・鍼灸師 ぱんだ先生
2014年11月13日公開

「ツボ」という言葉は、すでにみなさんご存知だと思います。
「ツボを使うと不調が改善される」、「健康増進できる」ということは一般的にも認知度が高くなっています。

ぱんだ先生の「ツボ」の神秘初体験は、「生理痛でお腹が痛いときの“三陰交”へのお灸」です。
アルバイト先の飲食店のおかみさんに「生理痛がひどくて…」と話をしたら、足の内くるぶしの少し上のツボ“三陰交”にお灸をしてくれました。すると、お腹が温かくなり、痛みがひいたのです。
また、「胃が痛い」ときには、膝の少し下の外側のツボ“足三里”にお灸をしてくれました。すると、またまた痛みが軽くなったのです。
お腹や胃に直接お灸をするのではなく、足にお灸をしたのに症状が楽になったことがとても不思議でした。

この神秘の体験は、鍼灸師を志すきっかけの1つになりました。

では、どうして「ツボ」を刺激すると離れた場所にも効くのでしょうか?
今回は「ツボ」が効くしくみについてお話ししたいと思います。

“気”や“血”が通る道を「経絡」と言います

私たちの身体には、生命活動を支えている“気”や“血”が通る道があります。

その道は、全身にくまなく縦横無尽に張り巡らされ、体表部から深部の臓腑までをつないで、身体の総ての機能を調整してバランスをとっています。

この道のことを「経絡」と言います。 体表部と臓腑は、経絡を通じて互いに影響しあっていて、臓腑に異常が起きると“気”や“血”の滞りや、過不足が生じ、深部の臓腑の異常は、経絡を通じて体表部にも現われます。
この“経絡が体表部に現われた場所”「ツボ」なのです。

ツボは経絡と外部をつなぎ、ツボを通じて気の出入りが行われます。

ツボは専門用語では「経穴(けいけつ)」と言います。現在、ツボの数は361個とされ、WHO(世界保健機関)によって名前や位置などが定義され世界共通です。

おもな「経絡」の分類

「経絡」には、身体の縦方向に伸びていて太い幹にあたる「経脈」と、経脈から分かれた細い枝であり、体内を横方向に走って経脈同士をつなぐ役割を持つ「絡脈」があります。

「経脈」はさらに分けられ、「正経十二経脈」「奇経八脈」などがあります。

「正経十二経脈」は、六臓六腑(五臓六腑に心を包む膜状の臓器である“心包”を加えたもの)とつながっていて、12本の経脈の名前は、手を通るか足を通るか、どの臓腑とつながるか、また、つながる臓腑が六臓の場合は陰経、六腑の場合は陽経となり名前が決まります。(下記の経絡分類一覧をご覧下さい)

十二経脈を気血がめぐる順序は、
①手の太陰 肺経 → ②手の陽明 大腸経 → ③足の陽明 胃経 → ④足の太陰 脾経 → ⑤手の少陰 心経 → ⑥手の太陽 小腸経 → ⑦足の太陽 膀胱経 → ⑧足の少陰 腎経 → ⑨手の厥陰 心包経 → ⑩手の少陽 三焦経 → ⑪足の少陽 胆経 → ⑫足の厥陰 肝経 → ①手の太陰 肺経・・・・・
と、1つの経脈の終点は、次の経脈の起始点になり接続して十二経脈をめぐり、⑫足の厥陰 肝経は、①手の太陰 肺経につながり、経脈は身体全体を循環する1つの輪となり、絶えることなく、ぐるぐるめぐっています。

一方、「奇経八脈」は臓腑とはつながらずに十二経脈の間を縦横に交差しながら伸びていて、十二経脈を調節、協調させたり、気血の量を調整する役割を持っています。
奇経八脈の中でとくに重要なものが、身体の背面正中を下から上へ走っている「督脈」と、身体の前面正中を下から上へと走る「任脈」です。「督脈」は陽の気を、「任脈」は陰の気を調整しています。

経絡の分類一覧

以下に、おもな経絡の分類一覧を表します。

経脈のルート

経脈は身体の決まったルートを通ります。そのルートのことを「流注(るちゅう)」といいます。
十二経脈の流注と各経脈に関連する症状は次の様になります。

走行順 経脈 流注 ツボ数 関連症状
手の太陰 肺経 胃の辺りから始まり、大腸へ一旦下って、また胃の辺りに戻り、肺、のど、胸上部、脇、腕の前面を下って、親指先で終わり、②大腸経へとつながる。 11 せき、喘息、息切れ、悪寒、発熱 etc.
手の陽明 大腸経 人差し指から、手、腕、肩、頚椎と上り、鎖骨上で二手に分かれる。1つのルートは胸中、肺、横隔膜を通って大腸へと下り、もう1つは鎖骨上から、頚部、ほほへ上り、小鼻の横で終わり、③胃経へとつながる。 20 のど痛、下痢、便秘、歯痛、五十肩、顔面神経麻痺 etc.
足の陽明 胃経 小鼻の横から始まり、口、下あごで二手に分かれる。1つは耳の前から髪の生え際、額中央に至る。もう1つは、首、のどから鎖骨部でさらに二手に別れ、1つは鎖骨のくぼみに入り、胃・脾につながる。もう1つは胸部、腹部から足の前面を通って足の人差し指で終わり、足の親指で④脾経へとつながる。 45 胃痛、吐気、食欲異常、歯痛、鼻血、のど痛、足の痛み etc.
足の太陰 脾経 足の親指から始まり足の内側を通って上り、腹部で身体の中と表、二手に分かれる。身体の中では脾・胃とつながり、心臓で⑤心経につながる。もう1つは、腋下でさらに分かれて、のどから舌へのルートと、胸脇で終わり、⑤心経へとつながる。 21 生理痛、股関節痛、膝痛、胃腸症状 etc.
手の少陰 心経 心臓から始まり、横隔膜を通り、小腸へ下がり、また心臓へ戻ったあと二手に分かれる。1つは心臓から肺へ直行し、腋下から腕の前面を通って、手のひら側の小指先で終わる。もう1つは、心臓からのど、目へと至り⑥小腸経へとつながる。 9 ストレス、胸痛、息切れ、不眠、手のひらのほてり etc.
手の太陽 小腸経 手の甲側の小指先より始まり、腕の後面を上って肩甲骨をめぐり、肩上から鎖骨のくぼみに入り、二手に分かれる。1つは心臓、食道、胃を通り小腸に至る。もう1つは、鎖骨のくぼみからあごに沿って頬に上り、目尻から耳で終わり、⑦膀胱経へとつながる。 19 肩こり、腕の痛み、のど痛、胃腸症状 etc.
足の太陽 膀胱経 目頭から始まり、額へと上り頭頂部で二手に分かれる。1つは後頭部を通り脳に入り、再び外へ出て背骨の両側を下り腰部に至り、腎臓から膀胱へとつながる。もう1つは、頭頂部から肩甲の骨内側を下り、股関節を通って、膝でもう1つのルートと合流する。そして、足の後面から外くるぶしを通り、足の小指先で⑧腎経へとつながる。 67 頭痛、腰痛、背部痛、膝通、排尿異常 etc.
足の少陰 腎経 足の小指先から始まり、足裏に向かい、内くるぶし、足の内側を上り、会陰で二手に分かれ、1つは会陰から腹、胸、鎖骨下で終わる。もう1つは、腎臓でさらに枝分かれして、肝、横隔膜を通り、肺に至り、のど、舌へとつながる。腎臓で枝分かれしたもう1つのルートは、背骨を貫いて膀胱へ至る。胸で分かれた支脈は、胸中で⑨心包経へとつながる。 27 めまい、腰痛、背部痛、足の痛み、老化現象 etc.
手の厥陰 心包経 胸中から始まり、心包を通って枝分かれし、1つは横隔膜を下って⑩三焦経へとつながる。もう1つは、胸中から腋下に至り、腕の前面を通り手のひらに入って、中指先に終わる。手のひらで分かれた支脈は、薬指先から⑩三焦経へとつながる。 9 動悸、胸痛、手のひらのほてり etc.
手の少陽 三焦経 薬指先から始まり、手の甲、腕の後面を通って、肩から身体の前面に向かって、胸中で枝分かれする。1つは心包を通って体内を下り三焦へとつながる。もう1つは、胸中から上り、耳、こめかみを通り眉尻に至る。こめかみで分かれたルートは、耳中から耳の前、目尻へと至り、⑪胆経へとつながる。 23 難聴、目の痛み、耳の痛み、むくみ etc.
足の少陽 胆経 目尻から始まり、耳を通って、耳の後ろで枝分かれする。1つは側頭部を経て首へ向かう。鎖骨で一旦合流して、また枝分かれする。この一方は胸中から肝・胆を通って、股関節を通って再び合流する。もう1つは肩上から、腋、身体、足の側面を通って、外くるぶしを経て、足の薬指先で終わる。足の薬指と小指の間で枝分かれしたルートは、足の親指先で⑫肝経へとつながる。 44 頭痛、股関節痛、膝痛、耳の不調、肩こり etc.
足の厥陰 肝経 足の親指先から始まり、足の内側を通り、性器をめぐり、腹部、肋骨、胃、肝臓に至り枝分かれする。1つは、横隔膜を通り、のど、鼻、目を通り額に至る。もう1つは、肝臓から横隔膜を貫き、肺を通り、胃の辺り至り、スタート地点の①肺経へとつながる。 14 目の不調、ストレス、頭痛 etc.

十二経脈だけでも、こんなに色々な部分に張り巡らされているのです!
言葉だけでは、なかなかイメージするのが難しいですよね(- -;;)

興味を持った方は、ツボの本で“経絡図”が、わかりやすく掲載されているものも多く発売されていますので、本屋さんをのぞいてみてはいかがでしょうか?

【正経十二経脈のミニ知識】

★身体の左右にあるので、全身では24本のラインがある。

★陰経は下から上へ、陽経は上から下へ流れる。ただし、腕を通る場合は、陰経は胸の方から指先へ、陽経は指先から胸の方へと流れる。

★経絡の流れに沿って触ると気が補われ、逆らうと気が除かれる。

★膝から下と、肘から指先にかけては重要なツボが並んでいる。

★経脈は細い線ではなく、幅があるラインなので、隣のラインと重なる場合もある。

★経脈を流れる気は、人体を1日50週する(①肺経~⑫肝経で1周)

経絡とツボと鍼灸師…

身体に不調が起こる原因は、臓腑とつながる「経絡」に、気血の滞りや過不足が生じ、変動するためです。ある経絡に変動が起こると、陰陽、五行のバランスが崩れて、様々な症状がでるのです。

私たち鍼灸師は、その不調が、気血が滞っているためなのか?過剰なのか?不足しているのか?どの経絡に変動が起きているのか?ツボに反応は出ているか?などを、望聞問切の四診を駆使してさぐり、ツボを決めて、鍼やお灸を行います。
※「四診」については、詳しくは特集記事「数値ひとつで“病人”が“健康人”に!?」をご覧下さい。
※「ツボの反応」については、詳しくは特集記事「お灸にまつわるエトセトラ②」をご覧下さい。

人間の身体は一人ひとり違うので、経絡やツボの位置も人それぞれです。基準点を元に、患者さんそれぞれの位置を見つけ出さなければいけません。

鍼灸治療をする上で、「経絡」と「ツボ」はとても重要なものであり、それを深く理解し、上手く使いこなせるかどうかで治療の効果は格段に違ってくるのです。
これは、ぱんだ先生にとっても大きな課題です(>_<;)

鍼やお灸を受けた時に、施術した部分とは違うところに、何らかの変化を感じた経験がある方は結構いらっしゃるのではないでしょうか?
それは、経絡の働きによるものなのです。

また、湿疹やほくろなどが、経絡に沿って出ている事もよくあります。自分の腕や足を観察してみて下さい。
もし、経絡に沿って出ているとしたら、その経絡が“変動している”、もしくは“変動しやすい”ということです。いま気になっている不調は、その経絡が原因かもしれません。

ツボにお灸をすえたり、鍼を打ったりした時に、そのツボが所属する経絡のラインに気血が流れるのがわかる方がいます。敏感な人になると、鍼やお灸を使わずに、経絡を手で撫でただけで、効果が出る方もいたりします。

ちょっと意識してみると、あなたも感じるかもしれませんよ!(*^ ^*)


 

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