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あんまマッサージ指圧師・鍼灸師 ぱんだ先生
2014年8月28日公開

今回はメルマガ購読者から質問のあった更年期障害についてお応えいたします。

“更年期”とは、閉経をはさんだ前後数年の時期をいいます。一般的に平均閉経年齢は約50歳ですので、45~55歳位の時期を指します。

卵巣機能の「店じまい」が閉経です。閉経前後には、卵巣機能の衰えからエストロゲンと呼ばれる女性ホルモンの分泌が急激に減少し、ホルモンバランスが崩れて、心身に様々な不調が現われます。この様に現われる更年期の不調を“更年期症状”、日常生活に支障をきたしてしまうほど重いものを“更年期障害”といいます。

女性ホルモン低下の他に、その人の性格や社会的環境などが大きく影響するため、症状の現われ方は人により様々です。45~55歳位というと、キャリアアップ、子供の独立、親の介護、夫の定年退職etc.様々な変化がみられる時期です。取り巻く環境には、人それぞれ大きな違いがあるため個人差がとても大きいのです。

「まだまだ若いから関係ないわ」と思った20~30代のあなた!最近では、更年期にはまだ早い年齢であるにもかかわらず、更年期症状があらわれる「若年性更年期障害」が増加しています。無理なダイエットや不規則な生活、偏った食事、過度のストレス…心当たりがある方は要注意です!

 

更年期に現われる主な症状

血管運動神経系 のぼせ、ほてり、発汗、動悸、頻脈、手足の冷え、息切れ、むくみetc.
知覚神経系、運動器系 しびれ、知覚鈍麻、知覚過敏、蟻走感、掻痒感、腰痛、肩こり、関節痛etc.
精神神経系 頭痛、耳鳴り、めまい、不眠、不安感、憂うつ、集中力低下、物忘れ、イライラetc.
消化器系 吐き気、嘔吐、のどがつかえる感じ、食欲不振、便秘、下痢、腹部膨満感etc.
外分泌系 口腔や外陰部の乾燥感、唾液分泌亢進etc.
泌尿器・生殖器系 頻尿、排尿痛、残尿感、性欲低下、不正出血、性交痛、外陰部の痒みetc.
その他 皮膚の乾燥、髪の毛が薄くなる、肥満、やせ、ドライアイ、全身倦怠感、腹痛etc.

“更年期障害”チェックシート

あなたが該当する症状の強さの点数の合計は?

症状 なし
①顔が熱くなる 12 8 4 0
②汗をかきやすい 12 8 4 0
③腰や手足が冷える 12 8 4 0
④息切れがする 12 8 4 0
⑤手足がしびれる 6 4 2 0
⑥手足の感覚が鈍い 6 4 2 0
⑦なかなか寝つけない 6 4 2 0
⑧眠っていても目を覚ましやすい 6 4 2 0
⑨興奮しやすい 6 4 2 0
⑩神経質である 6 4 2 0
⑪憂うつになることが多い(つまらないことにクヨクヨする) 3 2 1 0
⑫めまいや吐き気がある 3 2 1 0
⑬疲れやすい 3 2 1 0
⑭肩こり、腰痛、手足の節々に痛みがある 3 2 1 0
⑮頭が痛い 3 2 1 0
⑯動悸がある 3 2 1 0
⑰皮膚をアリが這うような感じがある 3 2 1 0
【判定】
合計点数:15点以下→問題なし/16~20点→軽度/21~34点→中等度/35点以上→重度

【“更年期障害”のミニ知識】男性も他人事ではありません!

女性の更年期障害はすでに誰もが知るところですが、男性の更年期障害のことをご存知でしょうか?近年、有名人の経験談がマスコミで取り上げられたことで話題となり広く知られる様になりました。

男性の更年期も加齢とともに、テストステロンと呼ばれる男性ホルモンの減少により様々な不調が現われます。ただし、男性の場合は、女性の閉経の様に一気にホルモンが減少する事はなく、40~60代にかけて、ゆるやかに減少していきます。そのため、症状の現われ方も激しくなく、更年期も意識していないため、少々の不調が出ても気づかないうちに通り過ぎている人がほとんどの様です。男性の場合も、その人の性格や社会的環境が強く影響するため、個人差が大きくなります。現在では、男性専用の更年期外来を設けている病院が増加しており、認知度は高まっています。

<男性用“更年期障害”チェックシート>

以下の症状はありますか?
[特につらい→4点/かなりある→3点/ややある→2点/ほとんどない→1点]

  • 体調がすぐれず、気難しくなりがち
  • 不眠に悩んでいる
  • 不安感やさびしさを感じる
  • クヨクヨしやすく気分が沈みがち
  • ほてり、のぼせ、汗がある
  • 動悸、息切れ、息苦しいことがある
  • めまい、吐き気がある
  • 疲れやすい
  • 腰痛、手足の関節の痛み
  • 頭痛、頭が重い、肩こりがある
  • 手足がこわばる
  • 手足がしびれたりピリピリする
  • 尿が出にくい、出終わるまでに時間がかかる
  • たびたび夜中にトイレに起きる
  • 尿意を我慢できなくなり、漏らしたりする
  • 性欲が減退したと感じる
  • 勃起力が減退したと感じる
  • セックスの頻度
    [全くない→4点/月に1回未満→3点/月に1,2回→2点/2週間に1回以上→1点]

【判定】
合計得点:17~26点→問題なし/27~36点→軽度/37~49点→中等度/50点以上→重度

東洋医学的にみると…

特集Vol.3「女性のからだと東洋医学」でも触れましたが、東洋医学のバイブル的書物『黄帝内経』には、「女性は7の倍数、男性は8の倍数の年齢の時に身体が変化する」とあり、下記の様に記されています。

女性の身体の変化<7の倍数> 男性の身体の変化<8の倍数>
7歳:永久歯に生え変わる 8歳:永久歯に生え変わる
14歳:初潮を迎える 16歳:精通を迎える
21歳:女性の身体ができあがる 24歳:男性の身体ができあがる
28歳:女性として身体が最も充実する 32歳:男性として身体が最も充実する
35歳:容姿の衰えが見え始める 40歳:衰えが見え始める
42歳:顔がやつれ、白髪が目立ち始める 48歳:顔がやつれ始め、白髪が増える
49歳:閉経 56歳:体力や生殖能力が衰える

人間の生殖、成長、発育など生命活動の根源を司るのは五臓の“腎”です。“腎”は、両親から受け継いだ「先天の気」と、“脾”と“肺”の作用により飲食物と大気から得られる「後天の気」とを併せ持ちます。これを“腎精”と呼び、“腎精”が充実すると身体は成長、発育し、“腎精”が少なくなると老化が始まります。

更年期障害のおもな原因は“腎精(先天の気)”が尽きかけるために起こると考えます。“腎精”が不足する、つまり腎虚になると、生命エネルギーが落ちるため、身体のあちこちに不具合が起こりはじめます。これが、悪循環となって、全身へ様々な症状が広がっていくことになるのです。

また、“腎精”の衰えからくる、陰陽のバランスの崩れも、更年期に現われる様々な症状の原因となります。本来、「陰的な性質」が強い女性には、ほてり、イライラ、不安感、煩躁感、不眠といった「陽」が亢進した症状や、水の異常として発汗、関節痛、手指のこわばりなど末端で水の流れが悪くなる症状が多く現われます。一方、本来「陽的な性質」が強い男性の場合は、更年期で「陰」が盛んになり、うつ傾向、倦怠感、冷感、肥満、食欲低下など元気のない症状が多くなります。こうした変化は加齢により誰にでもみられることですが、日常生活に支障をきたすようになると、更年期障害として認識されます。

“更年期”の症状におすすめのツボ

【合 谷】

手の甲側、親指と人差し指の間を手首に向かってたどり骨にぶつかったところの人差し指側⇒イライラ、不眠、首から上の不調全般etc.

【身 柱】

下を向くと1番突き出る首の骨から3つ下の背骨のところ⇒イライラ、ストレス、不眠、神経症、冷え、のぼせetc.

【労 宮】

手のひらの中央。手を軽く握った時、中指の先があたるところ⇒

精神不安、不眠、ほてり、のぼせetc.

【三陰交】

内くるぶしから指4本くらい上の、スネの骨の内側のくぼみにあるツボ⇒イライラ、ほてり、冷え、のぼせetc.

【太 衝】

足の親指と人差し指の間を足首の方へ向かってたどり骨にぶつかったところ⇒めまい、ほてり、憂うつ、イライラ、ストレスetc.

【湧 泉】

足の裏の指の付け根の下にできる「人」という文字のしわの股のところ⇒のぼせ、不眠、精神疲労、冷えetc.

【ツボの見つけ方のポイント!】こんな質問がありました

<質問>

更年期障害をツボで治そうと思い、「三陰交は更年期障害に効く名穴」と聞いたので、そのあたりを探してみたのですが響くところがありません。更年期障害といっても三陰交がツボじゃない場合もあるのでしょうか?

<回答>

次の3つのことを踏まえて、もう1度ツボを探してみて下さい。
①ツボの位置が違っていた可能性もあります。ツボの位置の説明は、あくまでも「一般的にはここら辺」という目安です。標準の位置の前後左右少し範囲を広げて探してみましょう。

②ツボを探す際の目安を“響くところ”としていましたが、強くグイグイ触るのではなく、指先で軽く触ってみましょう。効果が出るツボには必ず周囲と異なる何かしらの反応が出ています。以下の様な変化がある部分を探してみましょう。
■赤みがある ■青白い ■乾燥やざらつきがある ■触ると痛い ■しこりがある ■ブヨブヨしている
■凹んでいる ■感覚が鈍い ■拍動がある ■突っ張っている ■触ると気持ち良い ■触ると嫌な感じがする
■熱感がある ■冷感がある ■湿っている
また、三陰交の様に、左右(両足)にあるツボは、左右のツボの違いが大きい程、効果がでる可能性が高いです。反応が出ている方を刺激してみましょう。

③更年期障害といっても症状は様々なので、三陰交が効果的ではない場合もあります。症状などから、他のツボも試してみましょう。

ツボの刺激方法あれこれ

“やさしく刺激”が基本です。気持良く感じる程度で行いましょう。

冷えや、のぼせがある場合には、温めることが効果的です!
・指でやさしく押す、または揉む
・爪楊枝10~20本位を束にしてとめたものをトントントンと軽くあてる
・せんねん灸をすえる
・ドライヤー灸をあてる
・数本束ねた線香を近づける
・米粒を貼り付ける
できそうなものを生活に取り入れてみましょう!

現在の日本人女性の平均寿命は約86歳です。更年期のしっぽが55歳とした場合、その後、約30年も人生が続くのです。男性の平均寿命は約80歳ですので、更年期を60歳までとした場合、その後、約20年の人生が続きます。“更年期”はいつか通り過ぎて行きます。東洋医学では、人間は自然の一部であると考えます。加齢による身体の変化は誰にでも平等に訪れる、ごく自然なことです。アンチエイジングの努力はけっして悪い事ではありませんが、変化を受け入れない強すぎる抵抗は、自然に背くことになり心身の不調和を生み出します。年齢を重ねることで得られる物も多くあります。身体の変化を受け入れて、身体の状態にあった生活のリズム、食事、活動量へとシフトをすることを心がけてみませんか?視点を変えることで、新しい世界が見えてくるのではないでしょうか。


 

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