梅雨明けが待ち遠しい今日この頃、こんな症状はありませんか?

あんまマッサージ指圧師・鍼灸師 ぱんだ先生
7月10日公開

梅雨明けが待ち遠しい今日この頃、こんな症状はありませんか?
倦怠感、めまい、頭痛、吐き気、手足のけいれん、立ちくらみ…
じつは、これらは「熱中症」の症状なのです。

例年、梅雨明け前後の7月中旬から下旬にかけて「熱中症」の発生件数は急増し、最も危険な時期と言われています。
これは、多くの人の身体が、まだ暑さに慣れていないためと考えられています。暑さが本番となる8月は、身体が暑さに慣れるため「熱中症」は、むしろ減少する傾向となるのです。意外ですよね!?
さらに、
「熱中症」と言うと、まずは“体温が上昇する”といったイメージがあると思いますが、現われる症状は様々で、体温の上昇を伴わない場合もあるのです。重篤な場合は命を落とすこともある「熱中症」のシグナルを知ることで、早い段階で処置をすることが大切です!

今回は、これからがピークの「熱中症」について特集します。

「熱中症」とは?

熱中症

高温環境やスポーツ活動などにより温熱ストレスが身体にかかると、身体は体温調節機能により体温を一定範囲内に保とうとします。しかし、温熱ストレスがあまりにも強いと、体内の水分や塩分(ナトリウム)のバランスを崩したり、さらには体温調節機能自体が破綻するといった障害が生じます。これらの障害の総称を「熱中症」と呼んでいます。

20年ほど前までは「熱中症」よりも、「日射病」という言葉が広く使われていました。「日射病」は、屋外での太陽からの日射が原因で生じる障害を示す言葉として使用されていましたが、近年では屋内での温熱ストレスによる障害も含めた、より幅広い意味を持つ「熱中症」という言葉を使用するようになりました。

ちなみに、古くは「中暑」、「霍乱(かくらん)」、「暑さあたり」、「あかまり」などと呼ばれていたようですが、これらの呼称は現在ほとんど使われなくなりました。

見逃さないで!!「熱中症」のシグナル

こんな症状が出たときは、「熱中症」の可能性があります。

  • 数秒間の失神
  • めまい・立ちくらみ
  • 吐き気
  • ズキズキする頭痛
  • 顔面蒼白
  • 脈が速く、弱い
  • 唇のしびれ
  • 呼吸回数の増加
  • 異常に感じる多量の発汗
  • 手足や腹部の痛みを伴うけいれん
  • 失神
  • 皮膚蒼白、血圧低下
  • 身体がぐったりして力が入らない
  • 呼びかけに対する反応がおかしい
  • まっすぐに歩行できない
  • おかしな言動
  • ひきつけ
  • 意識がはっきりしない・意識がない
  • 体温が上昇しているのに汗をかかない
  • 呼吸困難

「熱中症」は3段階に分類されます

「熱中症」は症状の程度から、3段階に分けられます。

分類 程度 症状 救急処置
Ⅰ度 現場での応急処置で対応しうる軽症 ■熱失神
顔面蒼白、立ちくらみ、めまい、頻脈、過呼吸などの障害が生じる。
■熱けいれん
多量の発汗、吐き気、喉の渇き、高めの体温、腹部・上肢・下肢などの局部的なけいれんが生じる。
■熱失神
涼しい場所に運び、衣類をゆるめて寝かせ、水分を補給する。足を高くし、手足を末梢から中心部に向けてマッサージする。水分補給できない場合は病院へ運び、点滴をしてもらう。
■熱けいれん
生理食塩水(0.9%)やスポーツドリンクなどを補給する。
Ⅱ度 病院への搬送を必要とする中等症以上 ■熱疲労
めまい、疲労感、虚脱感、頭痛、失神、吐き気などの症状。同時に、血圧低下、皮膚蒼白、多量の発汗、高体温(40℃以下)
“熱失神”と同様。
Ⅲ度 入院して集中治療の必要性のある重症 ■熱射病
高体温(40℃以上)、意識がない、返事がおかしい、頭痛、めまい、吐き気、全身のけいれん、汗が出ない、過呼吸などの症状が出現。全身の臓器障害を生じ、死亡に至る危険性が高い。
身体を冷やしながら、集中治療のできる病院へ一刻も早く運ぶ。水をかけたり濡れタオルを当てたりして扇ぐ。首、脇の下、足の付け根など太い血管のある部分に氷やアイスパックをあてる。足を高くし、マッサージをする。

救急対応フローチャート

いざという時の「熱中症」救急対応フローチャート

上記以外にも、体調が悪化する場合は、必要に応じて、救急車の要請や病院へ搬送することを考えましょう。

要注意!こんな人は「熱中症」になりやすい

  • 高齢者(とくに75歳以上)・乳幼児
  • 太っている人
  • 我慢強くまじめな性格の人
  • 基礎疾患(高血圧・心疾患・慢性肺疾患・肝臓病・腎臓病・内分泌疾患など)のある人・寝たきりの人
  • 下痢・発熱・二日酔い・睡眠不足などで体調不良の人

要注意!こんな環境は「熱中症」になりやすい

  • 気温・湿度が高いとき
  • 風がないとき
  • 陽射しが強い・照り返しが強いとき
  • 急に暑くなったとき
  • 日向に停車中の自動車内

まずはここから!「熱中症」予防の基本

水分・塩分補給

  • ・こまめな補給を心がける( のどの渇きを感じなくても、こまめに水分補給を)
  • ・アルコールやコーヒーは利尿作用が高いため、水分補給にはなりません!
  • ・就寝前にも水分補給(熱中症による死亡は約4分の1が夜間)

熱中症になりにくい室内環境

  • ・扇風機やエアコンを使った温度調整(無理な節電をしてエアコンを使わないと体調を崩す可能性があります!)
  • ・室温が上がりにくい環境の確保(こまめな換気、遮光カーテン、すだれ、打ち水など)
  • ・こまめな室温確認

体調に合わせた取り組み

  • ・こまめな体温測定
  • ・通気性の良い、吸湿、速乾の衣服着用
  • ・保冷剤、氷、冷たいタオルなどによる身体の冷却
  • ※効果的な部位:おでこ、あごの下、首の後ろ、脇の下、足の付け根
「熱中症」予防の基本

外出時の準備

  • ・日傘や帽子の着用
  • ・日陰の利用
  • ・こまめな休憩
  • ・通気性の良い吸湿、速乾の衣服着用

【“熱中症”のミニ知識】江戸時代の意外な熱中症対策!?

甘酒

江戸時代、庶民の暑さ対策は、なんと“甘酒”を飲むことでした。今でこそ、“甘酒”といえば温かい飲み物で、寒さの厳しい真冬に、身体を温めるために飲むというイメージですが、当時は、冷たい“甘酒”を薬代わりに飲んでいました。のどの渇きをいやすことが目的だったのでしょうが、今で言うところの健康ドリンクのような存在だったと考えられます。

実際、発酵食品である“甘酒”には不足しがちなビタミンB群と、ほとんど全てのアミノ酸が含まれていますから、疲労回復や筋力アップには持ってこいだったのです。

最近コンビニなどで、“冷やし甘酒“を目にすることがあります。今年の夏は、江戸の人々に習って、「熱中症」予防に”甘酒“を試してみてはいかがでしょうか?

東洋医学的「熱中症」対策

暑くなると身体の外側から“暑邪”が襲ってくるため、身体を冷やす役割の陰を強くすることが予防に繋がります。
とくに、夏でも足が冷える様な人はバランスを崩しやすいので要注意です。そんな方におすすめなのが、陰を強くする足へのお灸です。
次のツボをせんねん灸・ドライヤー灸・・線香灸などでやさしく刺激してみましょう。
【三陰交(さんいんこう)】内くるぶしから指4本くらい上の、スネの骨の内側のくぼみにあるツボ
【然谷(ねんこく)】内くるぶしの前下方にある骨の出っぱりの手前際にある凹みにあるツボ(内くるぶしから指1本分ほど下がり、そこから親指の方へ指2本分ほど前あたり)
お灸ポイント

現在は、運動中の水分補給の大切さは深く浸透し、こまめな水分補給が常識となり、誰もが知るところです。
一昔前は、“根性を鍛える“という名の元に、真夏の炎天下の中でも、“部活中には水を飲むな!”ということが、当たり前のように先輩達から指示されていました。いま思えば、とんでもなく危険な行為ですよね!?ゾッとします…
私も経験がありますが、うがいと見せかけながら、先輩の目を盗んで飲んだ水がどんなに美味しかったことかは言うまでもありませんが、その水が「熱中症」を防いでくれていたのですねぇ(^^;)

地球温暖化やヒートアイランド現象による気温の上昇、それと、エアコンの普及による暑さへの抵抗力の低下により、「熱中症」は増加の一途をたどっています。今年も暑い暑い夏がすぐそこまで来ています。
身体に現われるちょっとした不調、それは「熱中症」のシグナルかもしれません!命の危険を伴う事もある「熱中症」。シグナルを見逃さず、早い段階で処置をし、深刻な状況を回避しましょう!!