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あんまマッサージ指圧師・鍼灸師
ぱんだ先生 2013年12月18日公開

 

「調和」の意味をご存知ですか? 辞書をひくと「全体がほどよくつりあっていること」とあります。 東洋医学における「健康」の概念を説明するのに最適な言葉です。

「健康な状態」とは、
「身体全体がほどよくつりあっていること」=「身体の調和を保っていること」
なのです。

では、「何がつりあっていると健康なのか?」   今回は、東洋医学の基本となる考え方についてお話したいと思います。 東洋医学には三大理論と呼ばれている「天人合一思想」、「陰陽論(学説)」、「五行論(学説)」という基礎理論があります。 「五行論(学説)」については、特集Vol.5「五行色体表で生活改善」の中でお話しさせていただきましたので、今回は残りの2つの理論「天人合一思想」と「陰陽論(学説)」についてお話をしたいと思います。

◆「天人合一思想(てんじんごういつしそう)」とは◆

「人間は自然の一部であり、人間の身体の中にも自然と同じ法則がある。人間は自然と調和しながら生きている。」という考えです。   「人間は自然の一部である」ということは容易に理解できると思います。 季節や天候などによる自然環境(温度、湿度、陽射しなど)の変化が体調に影響をもたらすことは、ほとんどの方が経験を通して実感しているとことと思います。
「人間の身体の中にも自然と同じ法則がある」ということは、絶えず変化を続ける自然界と同じ現象が人間の体内でも起こっているということです。 例えば、 自然界では、太陽が大地を照らし温め、海水が蒸発して雲となりやがて雨を降らせます。 しかし、太陽の熱が強すぎたり、海水の量が少なすぎると大地は干上がってしまいます。 また、太陽の熱が弱かったり海水が多すぎると、海は温まらないため海水は蒸発せず雨が降らなくなります。 うまく循環するには、太陽の熱量と海水の量のバランスがとれていることが大切になります。
これを人体に置き換えてみると、 体内の熱が強すぎたり水分量が少なすぎると、身体は火照ったり乾燥しやすくなります。 また、体内の熱が弱すぎたり水分量が多すぎると、むくみや冷えが強くなります。 人間の体内もうまく循環するには熱量と水分量のバランスが大切ということになります。
また、少し視点を変えてみると 「潮の満ち干」、「月の満ち欠け」が人の生死や体調に深く関っているという話を聞いたことはないでしょうか? 「満月に出産が多い」ということは、助産師さんにとっては常識です。 最近では「女性の体調の変化と月の満ち欠け」に着目した“月ヨガ”も話題になっています。 人体を表す漢字(腕、腰、筋、肌、骨、脳、肺、腎、胃など)には“月”が入って入るものが多いですよね。   こんなところからも、人間と自然の間には深い関係があることがうかがえます。

◆「陰陽論(学説)」とは◆

「自然界に存在するものはすべて、対立する2つの要素“陰”と“陽”に分けることができ、それらは、互いに対立したり制約したりしながら、常にそのバランスを変えながら互いに転化し流動している」という考え方です。   “陰”と“陽”の性質と、それぞれどんなものが分けられるのか、その一部を挙げてみます。

【陰の性質】静的・内向き・下降・寒冷・有形・暗い・抑制的
【陽の性質】動的・外向き・上昇・温熱・無形・明るい・興奮 special-08-1

この関係を図に表したものを「太極図」と言います。(右図→)special-07-2
陰はやがて陽になり、陽はやがて陰になることを表しています。
また、陰から陽へと変化する途中には陰の中にも陽の部分があり、 逆に陽から陰へ変化するときは、陽の中にも陰の部分があることを示しています。(図の2つの小さな丸)
相反するものが相互に対立したり協力したりしながら調和をはかっている事を意味しています。

例えば、 1日の昼と夜の変化や、1年の四季の移り変わりの様に、陰と陽は互いにバランスを取りながら変化しています。 1日の場合は、真昼には陽が極まり、そこからだんだん陽の勢いが弱まっていって、真夜中になると陰が極まる。そして、夜明けが近づくにつれて陰が弱くなり、再び陽の勢いが強くなっていく。 四季で考えると、真夏(夏至)のときに陽が極まり、冬至のときには陰が極まります。
人体においても、陰と陽の調和をうまく保つことで健康を維持しています。 例えば、 夏に身体の内部の陽(熱)が強くなりすぎない様に発汗し、冬には汗腺を閉じて陽(熱)が弱くならない様に調整します。 この陰陽の変動が小さいうちは自然治癒力でバランスを回復することができますが、変動が大きくなりすぎた場合は、自然治癒力だけではバランスを回復できずに、身体に不調が現われます。 その場合は、鍼灸などで強くなりすぎた“陽”を抑えたり、弱くなった“陽”を補ったりという治療が必要になります。陰陽の調和をはかるのです。

◆東洋医学における「健康」の概念とは◆

身体は自然界と同じく絶えず変化を続けていて、「陰陽のバランス」、「五行のバランス」が常に変動しながら調和を保っています。その状態が「健康」です。 その調和が、気候、ストレス、暴飲暴食など様々な要因で崩され、「陰陽」「五行」の変動が大きくなりすぎ、自然治癒力で対応しきれない時に身体に不調が現われてきます。
鍼灸では、「陰陽論(学説)」「五行論(学説)」(合わせて「陰陽五行論」と呼ぶ場合もあります)を用いて、身体のどの部分のバランスが崩れて不調が現われたのかを探り、その原因に対してバランスを整える治療を加えるのです。
東洋医学は「調和」の医学ということがお分かりいただけたと思います。

 

 

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