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あんまマッサージ指圧師・鍼灸師 ぱんだ先生
2013年10月16日公開

 

「鍼灸師」とは…

じつは「鍼灸師」という資格はありません。
国家資格である「はり師」と「きゅう師」は別々の資格ですが、試験を一緒に行うため、両方の資格を同時に取得していることがほとんどなので、一般的には合わせて「鍼灸師」という通称で呼ばれています。

 

「はり師」「きゅう師」の国家試験を取得するには…

文部科学省認定校(大学、短期大学、盲学校理療科など)、または厚生労働省認定の養成施設(専門学校など)にて3年以上修業後、それぞれの学校で実技認定試験を受け、それに合格すると、年に1度、2月下旬に行われる国家試験を受験することができます。
ちなみに、認定校には入学試験があり、受験資格は高卒以上です。

 

履修科目は…

基礎医学として解剖学、生理学、病理学、臨床医学、衛生学、リハビリテーション理論、関係法規など、
専門学としてはり理論、きゅう理論、経絡経穴概論、東洋医学概論、東洋医学臨床論、実技などが必修科目であり、現代(西洋)医学、東洋医学どちらも学びます。
必須科目の他は各学校でカリキュラムが組まれ特色を出しています。

 

ここで、私の出身校の具体例をお話しします…

私は、厚生労働省認可の3年制専門学校の夜間部、本科の出身です。「本科」と言うのは、「はり師」「きゅう師」「あん摩マッサージ指圧師」3つの資格が一緒に取得できる課程です。これに対して「はり師」「きゅう師」2つの資格が取れる課程を「専科」と言います。

入学する際に、入試がありました。科目は、国語と英語と小論文です。入試科目は学校によって異なります。学校は全日制で月~土曜日まで週6日。授業時間は、平日は18:00~21:10、土曜日は15:00~21:10。1クラス60人。実技時は30人2組に分かれます。生徒の平均年齢は30代前半。最年少は18歳。最年長は50代。男:女比は3:1。学費は約450万円。中間や期末などの定期試験があり、規定の成績を取れなければ留年です。

現代(西洋)医学の講義では、大学病院の現役医師による授業もあり、医療現場の話しなども聞くことが出来ました。また、大学医学部での解剖見学などもありました。

実技ではどんなことをするのか…

鍼の実技でまず最初に行うのが「片手送管」の練習です。これは、片手で「鍼管」と呼ばれる鍼を刺す時に使う管を持ち、その中に鍼をセットするものです。これをひたすら繰り返して練習します。わかりやすくイメージしてもらうならば、利き手に短く切ったストローを握って、その中に利き手の親指と人差し指で持った爪楊枝をストローの上から入れる感じです。それの何倍も細かい作業です。イメージいただけたでしょうか?

それができると刺鍼練習です。最初は柔らかいシリコン製のパットに鍼を打つ練習をします。次に、いよいよ人体へ刺鍼ですが、まずは自分の足のすねに刺します。最初は下手なのでとても痛みます。内出血も起こすので、みんなすねが青あざだらけでした。そして次は、実習で組んだ同級生に刺します。足だけでなく、背中、肩、腕などにも刺し合います。皮膚に対して直角、斜め、水平、浅く、深くなど色々な刺し方を練習します。その後、今度はより実践的な訓練として腰痛、肩こり、頭痛など様々な症状に対する刺鍼を練習します。

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お灸の方はと言うと、綿の様なもぐさを、利き手と反対の指先で米粒の様な形に“ひねって”立てる練習です。テレ朝の「黄金伝説」の無人島対決で、よゐこの濱口がよく小麦粉でお米を作るときにやっている、あの“ちねる”感じです。それが出来ると、ひねって立たせたもぐさに、利き手に持った線香で火を付けます。これが簡単そうなのですが意外と難しく、火を付けて線香を離す時にもぐさを吊り上げてしまうことがよくあるのです。吊り上げない程度の接触で火をつけないといけないのです。そして次の段階では、火の付いたもぐさが8割位燃えたところで、利き手の親指、人差し指、中指でもぐさを隙間なく取り囲むようにつまんで火を消します。燃えているもぐさをつまむなんて、なんて恐ろしい!?という感じですが、うまく取り囲むと熱くなく酸欠で火が消えるのです。決して火をつまむのではなく、囲んでもぐさを窒息させる感じです。慣れないうちは怖さもあり、中途半端につまんでしまうので、よく火傷をしました。

こうして3年間みっちり訓練を行い、いよいよ最後に学校で「実技認定試験」を受けます。これに合格しないと国家試験を受験できないのです。

 

この様に、鍼灸師は3年以上の修業を必ず受けています。最初は、指は思うように動かない、力が入りすぎ指が痙攣する、火傷をする、など本当に鍼灸師になれるのかと途方に暮れました。でも、「継続は力なり」というのは本当で、繰り返し繰り返し練習していくうちにできるようになるのです。時間を掛けて繰り返し訓練することの大切さを実感しました。

 

国家資格であるということは、知識レベルはもちろん、こうした実技修業時間なども規定で定められています。時間をかけて訓練したからこそ、患者さんに安心して施術を受けてもらうことができるのです。

 

 

※本コラムは筆者の独断に基づき執筆されたものです。内容を保証したり、これらの情報によって生じたいかなる損害についても当社および本情報提供者は一切の責任を負いません。


 

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