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葛西はりきゅう漢方治療室(葛西)/國定先生
no.47 2013-04-12

 

湿布剤について
湿布剤には、大きく分けて温湿布と冷湿布の2種類があります。
漢方薬や副腎皮質ホルモン(ステロイド)が調合されているものもありますが、
たいていはこの2種類の中に入ります。消炎・鎮痛と書いてあるものは冷湿布の1種です。

冷湿布:患部を冷やす目的で使われる。
■目標は、腫脹(腫れ)・発熱(患部)、発赤・自発痛(なにもしなくてもズキズキ痛む。または、重だるく抜けるような痛みがある。)・動作時の激痛。

温湿布:患部を温める目的で使われる。
■目標は、発熱を伴わない腫脹(腫れ)・筋肉や筋の引きつれるような痛み・動作時の疼痛・関節の引っかかるような痛み・慢性化した関節痛。

 

 

正しい湿布の使用方法

通常は、冷湿布が使われることが多いようです。
冷湿布は、発熱、発赤(患部)と腫脹がともにある場合に効果があります。
たとえば、急性の頚筋緊張症(寝違え)・腱鞘炎・捻挫・急性関節炎・肉離れなどです。
ただし、慢性関節炎でも発赤、発熱をともなう痛みが起きた場合には冷湿布を使用することがあります。
これらの症状が認められたら、患部に通常は、30分から1時間冷湿布を貼ります。
それでも症状(熱感・自発痛)が変わらない場合、あるいは同じ症状がぶり返してきた場合には1時間から2時間ほどあけてからもう一度患部に冷湿布を貼ります。
これを何回か繰り返すうちに痛みや炎症のレベルが下がってきます。
ずっと貼りっぱなしにすると患部に熱が閉じこめられて、炎症の部位が深い位置に拡がったり、周りの組織や神経に影響を及ぼし始めますから注意が必要です。
また、こういった症状以外で多用すると、患部の血行が阻害されてしこりができたり、固まったようになって運動制限を起こすことがあります。

温湿布は、神経痛や慢性の腱鞘炎、リュウマチ性関節炎、血行が悪くなって起こる様々な痛み(慢性筋疲労、慢性腰痛)、冷えで増悪する障害(座骨神経痛・慢性関節痛)に効果があります。
使用方法は、冷湿布と同様30分から1時間温めて、1時間から2時間休むようにすることが大切です。
特に、温湿布は唐辛子などの刺激性の物質が入っていることが多いため、皮膚の敏感な人は炎症を起こして跡が消えなくなることがあるので注意が必要です。

 

 

湿布の落とし穴

●炎症に温湿布を貼ると、発熱がひどくなり痛みが強くなります。

●五十肩、ぎっくり腰は、炎症性なのか神経性なのか区別がつきにくいので、貼るときには注意が必要です。判断できないときには貼らない方が無難です。(※貼らなくても、痛みが引いていく時間はほとんど変わりません。)

●肋間神経痛や他の神経痛でヘルペス(神経性の湿疹)を伴う場合は湿布をしてはいけません。
また、皮膚の表面にチクチクした痛みを伴う場合もヘルペスが出かかっていることが考えられますので湿布は控えましょう。

●加齢性の膝の疾患で長期にわたって冷湿布を使用していると、痛みが固定したり、膝の変形が進む、動きが制限されるなどの状態になりやすいようです。

●温・冷ともに、貼っていたところが赤くなったり、かゆくなる場合は使用をすぐに中止します。時には、その跡が消えずにアザになって残ることがあります。

 

 

まとめ

湿布は、あくまでも痛みがひどく我慢できないようなときに補助的に使用するのがよいでしょう。
冷やすことによって痛みを麻痺させ、そのまま関節や筋肉を使用しているとどんどん病巣が深く進行し、骨や関連する他の部位にまでおよぶ可能性があります。
ちょっとした突き指が、やがて頸椎症やヘルニヤにまで進行することも珍しくありません。
いずれにせよ上記のような障害が起きたら、痛みを引き起こすような姿勢や動作を控え、休息させるとともに、
一刻も早く鍼灸治療で痛んだ部位の修復作業を行うことが新たな障害を防ぐ最良の方法です。

 

 

※本コラムは筆者の独断に基づき執筆されたものです。内容を保証したり、これらの情報によって生じたいかなる損害についても当社および本情報提供者は一切の責任を負いません。